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1、まさか、預金の預け入れで手数料が!?
18日金曜日。府中市では午後から降り始めた雨がどんどん強くなり、保育園へTくんを迎えに行く頃には、かなり大粒の雨になっていた。K子さんから「仕事が遅くなる」と電話があったので、駅まで迎えに行った。
月末の各種支払いのため(※)、駅にあるゆうちょ銀行のATMで、給与の振り込まれる銀行の口座から預金を下ろし、ゆうちょ口座にいくらか入金した。
そして、ピピッといって出てきた明細を見てビックリした。なんと、預金口座への預け入れなのに、110円の手数料もあわせて引き落とされていたからである!
〈ついに、ここまでサービスが落ちてしまったか・・・〉
愕然とした。帰宅して調べてみたら、どうやら、駅やショッピングセンターなどに置かれているゆうちょ銀行のATMでは、平日の18時以降、土曜日の14時以降、日曜祝日に利用すると時間に関係なく、110円の手数料がとられるよう規約が改定されたらしい。しかもこの規定の開始日が、今年の1月17日、阪神淡路大震災のあった日だというのだから、(個人的感情だけれど)ひどい話である。
【参考】『ツギノジダイ』「ゆうちょ銀行、2022年1月から現金取引やATM手数料を新設・値上げへ」
https://smbiz.asahi.com/article/14387877
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2、サービス向上のための民営化だったのでは?
2005年。小泉純一郎元首相が「郵政選挙」に打って出た。郵政を民営化するか否か。それを問うというのが総選挙の大義だった。
私は絶対に反対だった。いくつか理由があるのだけれど、そのうちのひとつは、民営化すればサービスがよくなるなんて、絶対にありえないと思っていたからだ。
たとえば、郵政の売り上げが1兆円だったとする。国営のままであれば、そのなかから純利益をうみだしたり、株主に配当したりする必要はない。平たくいえば、売り上げと経費はトントンでもいいのだ。それでも、国民のためになる。
でも、民営化したら、おなじ1兆円でも、純利益をうみださなければならなくなる。しかし、ネット環境がどんどん整っていくなかで、郵便事業が頭打ちになるのは予測できたし、人口増が頭打ちとなり、しかも近い将来の人口減が現実のものとして共有されていくなかで、簡易保険の売り上げや郵便貯金の残高の増加だって、そうそう見込めるはずもない。
そうなれば、削られるのは、そう、サービスでしかない。公営事業の民営化とは、そういうリスクを伴うのだ。赤字があるなら、国営のまま営業努力すればいい。
そう思っていたので、民営化には反対だった。
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3、郵便振替の手数料
案の定、民営化してからこれまで、サービスはどんどん低下してきた。
思い出されるのは、郵便振替の手数料の段階的な引き上げである。
私は片親だったので、手数料が60円の頃から郵便振替を利用してきた。それが、いつしか70円になった。そして、窓口でもATMでも郵便振替の手数料は変わらなかったのに、いつしか窓口の手数料だけが上げられていた。
コミュニケーションが好きな私は、郵便振替も窓口でお願いしてきた。でも、あるとき、窓口のお姉さんにこう言われた。
「郵便振替は、窓口の手数料が上がってしまったんです。ATMだと据え置きなので、お得ですよ。」
このときは、それでも「面倒くさいので、ここでお願いします」と言って窓口で済ませた。でも内心、やっぱりこうなったか、と思った。
それからというもの、お買い物や学会費などの郵便振替は、基本的にATMでするようになった。でも、いつしかATMでの郵便振替手数料も上げられた。このように、郵便振替の手数料ひとつとっても、サービスはどんどん低下してきた。
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4、窓口の営業時間
ほかにも、思い出せるサービスの低下として、郵便窓口の営業時間が早まったことがあげられる。
府中市で一番おおきい郵便局は、21時まで郵便の通常窓口が開いていた。でも、何年前だっただろうか、ぴったり20時くらいに入ろうとしたら、入り口で若い職員さんに止められた。
「もう時間なので、入ることはできません。」
「えっ、でもこれまでは9時まで開いていましたよね?」
「いいえ、そんなことはありません!」
遅く入ったのが久しぶりだったので、その若い職員さんはそれまでの事情を知らなかったのだろう。だから、お兄さんに非はない。でも、なぜお客である私が、怒った口調で抗議したわけでもないのに怒られないといけないのか、それだけは合点がいかず、少し頭にきた。
しかしながら、営業終了時間が早まるのは、労働条件がどんどん悪くなっていっている郵便局員さんたちにとっては、よかったのかもしれない。そう思って、その場でふつふつ湧いてきていた怒りは抑えることにした。
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5、我慢の限界!
私の父は、郵便局員だった。だから、郵便局はひいきにしてきた。
荷物の発送には、なるべく郵便局を使うようにしてきた。
出張先でいろいろと荷物が増え、自宅まで発送しないといけなくなった時も、コンビニのほうがいろんなところにあって便利だけれど、なるべく郵便局を探して発送するようにしてきた。
年賀状も、小学校の頃から、伯母、義母、祖母が亡くなった翌年以外は毎年、お世話になったみなさんに書いてきた。
郵便局を主体的に利用するようになってから30年余。サービスの低下が著しい。そういえば、封書や官製はがきの送料も、どんどん上がってきたではないか!
もう、ガマンの限界だ。口座にはほとんど預金がなく、たいして郵便局に貢献してきたわけではないけれど、ゆうちょ口座からの各種支払いの引き落とし先は、もう、別の銀行にかえよう。
駅のATMのまえで、まさかの手数料の表示に愕然としながら、そう固く決意するのだった。
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(※)月末になり、お金の移動や工面に悩まされていると、「自分って、まるで支払いのために働いているようなものだな~」という錯覚に陥ってしまう自分がいます。でも、もちろん、研究を通じてのささやかな奉仕と、家族の生活と笑顔のために働いているのだから、けっしてそんなことはないのですが!