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1、期待
年度末と桜の季節で書き入れ時の飲食店を、コロナ人災による苦境の波が襲っている。
これまでたびたび書いてきたけれど、経済活動とコロナ感染対策を両立させるには、徹底した検査によって感染している人を洗い出し、隔離をするしかない、と私は考えている。
そうしない限り、無症状の人が感染源となって感染は拡大するからだ。
(もちろん、症状があろうとなかろうと、感染されている人にまったく罪はないので、念のため申し添えたい。)
1月、菅首相は、緊急事態宣言発出時の記者会見で、3月までには希望する人が検査を受けられるようにすると明言した。
私は、この言葉に、かすかな希望を抱いた。
感染対策と経済の両立というグローバルスタンダードが、ようやく実現するかも知れない、と。
そして、スケープゴートにされてきた飲食店が、ようやく報われるときがくるかもしれない、と。
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2、失望
でも、その望みは見事に打ち砕かれた。
3月。緊急事態宣言を2週間延長する際の記者会見で出された対策一覧には、検査の拡充という、これまで幾度も繰り返し政府が叫んできた項目が当然のように並んでいて、絶句するしかなかった。
報道によると、これまた1月に対策として挙げられていた、介護施設での検査の進捗もほとんど進んでいないらしい。
広島県のように、近しい人が濃厚接触者だったり、体調がすぐれなかったりする希望者がすぐ検査できる体制を整えたところもあるけれど、そうした対策はいまだに自治体任せの状況が続いている。
そうこうしているうちに、心配していた変異株の感染の拡大が起こってしまった。
すでに第4派の兆候が出ているという懸念の声も上がっている。
なのに、緊急事態宣言は解除された。聖火リレーがあるからなのだろうか。
【参考記事1】
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3、絶望
こうした状況に業を煮やされたのか、あるテレビ番組の街頭インタビューで、お母さんが、具体策がなくてお願いされるだけだから宣言の延長は意味がないと仰っていた。現状を的確についた、ごもっともな言葉だと思った。
医療も、介護も、感染者対応のある保健所も、現場は疲弊しているのに、なかなか有効な対策が打たれないまま、感染を抑えきれず、いたずらに時間だけが過ぎていく。
【参考記事2】
そうしたなかで、変異株の種類によってはワクチンが効かないかもしれない、という報道も飛び込んできた。
【参考記事3】毎日新聞「新型コロナ 「集団免疫獲得の街」で起きた医療崩壊」2021年2月2日
https://mainichi.jp/premier/health/articles/20210128/med/00m/100/005000c
それなのに、第4波の危険性が高まっているなかで流れる、GoToキャンペーンの再開を検討するというニュース。
開いた口が塞がらないけれど、絶望の状況に陥る前に、なんとか希望がもちたい・・・。