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ものぐさ講師の徒然日記

窓際大学教員が、日々の暮らしで感じたことを、徒然なるままに綴っています(日・木曜日に更新)

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【公共事業と生活8】外環トンネル問題で同じ過ちを繰り返さぬために

Posted on 2020年12月29日 by monogusalecturer2021

~~~~~

1、住民説明会から市民とマスコミが排除される!

 前回ブログの記事をUPしてから、10日も過ぎてしまいました。

勤務先での特殊任務や学会の委員会、家族のことなどが重なり、日々いろいろ思うことはあっても、書き記す時間がなかなか取れませんでした。

そんななか、NEXCO東日本が外環トンネル工事と調布市での陥没事故との関係を認めたという19日の弊ブログ記事を書いた次の日。『田中龍作ジャーナル』にショッキングな記事が掲載されました。

NEXCO東日本がひらいた住民説明会は、案内が届いた住民だけしか入れず、詳しく知りたい近隣住民や市民、マスコミが排除されたという報道です。

田中龍作ジャーナル | 【道路陥没】NEXCO東日本が警察呼んで住民説明会 (tanakaryusaku.jp)

とにかく追及されたくない、被害に遭われた住民のみなさんが抱かれている気持ちをメディアで報道されたくない、そういう事業者側の姿勢が見え隠れしている気がしてなりませんでした。

◇◆◇◆◇

2、なぜ知る権利を制限するのか?

しかし、加害者側によるこうした報道管制には、納得のゆく理由づけができません。

なぜなら、外環トンネル工事には、国民と都民の税金が、たくさん投入されているからです。

弊ブログでも指摘してきたように、外環トンネル工事は、「おかしい」という声が反映されないまま認可・着工されてしまいました。

その結果が、今回の陥没事故、空洞の発生の問題です。

そうである以上、認可は適正だったのか、事業はこのまま続けられてもいいのかを、みんなで考えなければならないわけです。

ですから、市民ならだれもが、陥没事故の原因を知る権利があるのです。

それなのに、市民がいろいろ疑問をぶつけられる場への入場を、よりによって加害者側が一方的に制限した今回の措置は、端的に言っておかしいし、合理性がないのです。

◇◆◇◆◇

3、NEXCO東日本が団体交渉に応じない理由の予想

それだけではありません。『田中龍作ジャーナル』の12月27日付記事では、NEXCO東日本が、被害にたいする団体交渉は認めない方針であると伝えています。

田中龍作ジャーナル (tanakaryusaku.jp)

地域一帯の地盤沈下がある以上、今回の外環トンネル工事による影響は、もはや地域の問題です。それなのに、NEXCO東日本は個別の相談にしか応じないといっているのはなぜなのでしょう?

これまでの環境問題からNEXCO東日本が団体交渉を拒否する理由を推測すると、これは、住民のみなさんが一致して責任を追及する力を削ぐためではないかと考えられます。

団体交渉であれば、事業者側から提示された条件にたいする対応を、住民のみなさんが話し合って決めていくことができます。ところが、個別補償だと、早く補償してもらって移住したい方はすぐ交渉に応じるでしょうし、できればずっとここに住み続けたいという方は、地域の地盤沈下の問題やトンネル工事の正当性も含めて粘り強い交渉をしようとされるでしょう。

このように、個別補償では、住民のみなさんがバラバラにされてしまいやすいのです。つまり、分断が持ち込まれてしまうのです。

◇◆◇◆◇

4、同じ過ちを繰り返さぬために

個別補償で住民のみなさんからの強い圧力から逃れ、メディアからの追及もかわすことができ、その結果、トンネル工事の正当性にまで焦点が当てられずにすんだ場合、得をするのは誰か?

答えは簡単です。

ですが、そのように特定の経済的利益を優先するあまり、被害の実態を矮小化するような道を取ったら、どうなるでしょうか?

同じような事故が、ふたたび起きかねません。

しかも、幸いにも怪我人が出ていない調布市での事故とは違い、次の事故で負傷しない人がいないという保証は何処にもありません。

水俣病への対処を行政権力が渋っているうちに、新潟水俣病は起こりました。

日本中の原発で度重なる事故があっても、その危険性が隠され続けた結果、福島第一原発事故は起きました。

それと同じ過ちを、すなわち、経済を優先するあまりひとの〈いのち〉がないがしろにされる過ちを、外環トンネル工事で繰り返すようなことがあってはならないと私は思うのです。

公共事業にもかかわらず重大な事故が起こった以上、しかもこのような問題が起きると指摘されていた以上、トンネル工事の正当性、大深度地下法の正当性を議論し、被害を受けた住民のみなさんにたいしては、国としてきちんとした救済制度をつくらなければならないはずです。

◇◆◇◆◇

【オンライン署名サイト情報】

いま、署名活動はふたつのものが並行して行われているようです。

〇「住宅地陥没!東京外環道路事業・工事の中止を求めます。」(外環ネット)

キャンペーン · 国土交通大臣: 住宅地陥没!東京外環道路事業・工事の中止を求めます。 · Change.org

※外環ネットの最新ニュースは以下のサイトでご覧になれます。

 「住宅地陥没!東京外環道路事業・工事の中止を求めます。」署名活動にご協力ください: 外環ネット最新ニュース (sblo.jp)

〇「東京・調布市の住宅地で陥没!空洞!住民の知らない地下トンネル⁈大深度地下法の廃止と認可取消を求めます!」(家の真下にトンネルいらない会)

キャンペーン · 国土交通大臣: 東京・調布市の住宅地で陥没!空洞!住民の知らない地下トンネル⁈大深度地下法の廃止と認可取消を求めます! · Change.org

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