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ものぐさ講師の徒然日記

窓際大学教員が、日々の暮らしで感じたことを、徒然なるままに綴っています(日・木曜日に更新)

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【新型コロナウイルス問題13】三連休の人出と世間の空気

Posted on 2020年11月24日2020年11月26日 by monogusalecturer2021

~~~~~

1、三連休初日の渋滞

 三連休の初日、11月21日土曜日。先週、お腹の痛みを訴えてずっと学校を休んだ二男のBくんと一緒に、自分の持病のお薬も処方してもらうため、かかりつけの病院に向かった。

 いつものように、甲州街道に出て右折して、目を疑った。なんと、国立府中インターチェンジまで続く車の列が、いつもの連休初日の午前中と変わらない長さで、渋滞を引き起こしていたのである!

〈やばい。渋滞にはまり続けていたら、病院に間に合わないかも・・・。〉

地元民の知恵を生かして裏道へと廻り、なんとか診察受付時間終了45分前に病院へ駆け込めた。

それにしても、まるでコロナ禍などないかのような渋滞を目の当たりにして、心底驚いた。

 それから3日が経ち、今朝の「グッドモーニング」(テレビ朝日)を見て、土曜日の渋滞に納得がいった。金沢、京都、広島といった観光地の人出は、この三連休、昨年と同時期の9割ほどにまで回復したらしいのだ。しかも、羽田空港の利用客は、昨年よりむしろ多かったのだという。

なるほど、みんなGo to トラベルを利用して遠出してたんだ・・・。

◇◆◇◆◇

2、空気がコロッと変わる怖さ

私は身震いがした。

春先。政府によって緊急事態宣言が発令されているときは、「自粛警察」と呼ばれる人たちがどこともなく現れ、ルールを守って営業しているお店であっても、容赦なく張り紙をしたり嫌がらせをしたりというニュースがあった。少しでも新型コロナウイルスをうつす可能性のある行為はとことん許さない、という重苦しい空気が、世間の一部では漂っていた。

ところが、政府がGo toキャンペーンを展開し、経済とコロナ対策の両立という政策を実行し始めてからは、自粛警察は影を潜め、〈感染など気にしなくてもいいんだ〉という空気が、逆に支配的になった。

その結果、抑え込めずにくすぶり続けていたコロナ感染が、寒くなって再拡大した。統計上もその兆候が顕著だったのだけれど、〈たいしたことないんじゃない?〉という空気が勝り、この三連休は多くの人たちが移動したわけだ。いまだに会食時の注意にとどまり、危機意識の感じられない首相の会見も、おそらく「大丈夫!」という空気の醸成に一役買ったのだろう。

それはともかく、自粛警察も、それから数か月後のこの三連休の賑わいも、政府の政策によると思われる世間の空気が生み出したような気がしてならなかった。もしもそうだとすると、この社会の空気は、権力の意向により、いとも簡単にコロッと変わるんだと思えて、怖くなったのだ。

◇◆◇◆◇

3、忖度ありきでコロコロ変わる専門家のことば

ところで、Go to キャンペーンが全国に感染を蔓延させていったと思われる夏からこれまでの間、政府の新型コロナウイルス対策分科会の専門家は、いったい何をしていたのだろうか?

もちろん、感染が抑えきれていないのにキャンペーンなどありえないと多くの研究者や医学者は指摘していた。しかし、政府の分科会は違った。メディアがよく使う「Go toキャンペーンというアクセルを踏みながら(感染対策という)ブレーキを踏む」という矛盾した政策を前に、どうも忖度が先行してしまっていたように見受けられるのだ。

異邦人さんによる11月22日付の鋭いツィートが、そのことを見事に、そして端的に表している。

「尾身会長は「感染が収束してから」という約束を反故にして、所謂「GoTo」を自民党政府が大幅に前倒しした際に、言うに事を欠いて「旅行自体は感染を起こさない」として援護射撃をしていた癖に、今頃「人の移動は感染要素」とは笑止千万だ。4日間自宅待機ルールにせよ「政府専門家」は本当に害悪だ。」

忖度の結果としての「旅行自体は感染を起こさない」という分科会会長の言葉が、コロナにたいする楽観的な空気を醸成するひとつのきっかけになった感は否めない。会長がこれでは、委員がいくらおかしいと声をあげても、政策への反映は難しいのかもしれない。

拙ブログで書いてきたような、科学者の議論と提言に基づく封じ込め対策(徹底した感染者の把握と隔離)と、そのうえでの経済活動という、諸外国なら取り組めている方法をこの国で実施するのは、なぜこんなにも難しいのか。夢のまた夢で終わるのだろうか。

◇◆◇◆◇

4、いまになって、まだそんな段階!?

先週木曜日の「羽鳥慎一モーニングショー」で、多検体の全自動検査はできないのだろうかという特集が組まれていた。

それを見たとき、「えっ、まだこんなことやってるの?」と心底驚いた。

遡ってみたところ、多検体全自動検査の意義を拙ブログで訴えたのは、もう4か月以上も前の話になる。7月4日付の「【新型コロナウイルス問題11】やっと報道された、全自動PCR検査機器」記事だ。

検査の最前線は、いまだにこのレベルで動かざるをえないのか・・・。

政府は、利権の香りがプンプン臭う対策の場合、どれだけ矛盾していようともすぐ実施するのに、医療現場への支援は、いまだこの程度しかできていないのか・・・。

全自動検査機器の存在をかぎつけ、すぐに導入した国とのあまりの落差に、暗澹たる気持ちになった。

〈この国は、このような状況のまま、感染拡大の懸念のある冬を迎えることになるんだ・・・。どうか、感染拡大の過程で、ウイルスが変異しませんように。〉

そう祈るしかない自分の非力さが、心底悔しい。

(2020年11月26日一部修正)

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