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ものぐさ講師の徒然日記

窓際大学教員が、日々の暮らしで感じたことを、徒然なるままに綴っています(日・木曜日に更新)

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【レイシズム1】ウィスコンシン州警官発砲事件

Posted on 2020年8月27日2020年8月28日 by monogusalecturer2021

◆喧嘩を仲裁したら警官に撃たれた!?

最近、DVDデッキの調子が悪くて、予約した番組が録画されていないことが度々ある。残念ながら、昨夜の「News23」も撮れていなかった。仕方がないので、今朝は、まだ見れていなかった月曜日の分を視聴した。

見る直前、起きたばかりの二男が、ある事件のことを教えてくれた。

「パパ~、アメリカでまた黒人の人が銃で撃たれたらしいよ。背中を7発も。しかもお子さんの前でだって。ひどいよね~!」

「えっ、またそんな事件が起こったの? 全然知らなかった。ありがとう。」

そのニュースが、そのあと見た月曜日のNews23で取り上げられていたものだから、二男と一緒に固唾をのんで映像を見守った。

どうみても、男性が抵抗しているようには見えない。銃を持っているようにも見えない。車に乗ってそこを立ち去ろうとしたとき、背後から警官に銃で撃たれている。

 男性は、車で走行中、たまたま遭遇した道端での口論を止めるため、女性二人の仲裁に入っただけだったらしい。善意の行動を起こしただけなのに、警官からいのちを狙われてしまうとは・・・! 考えるだけで恐ろしいし、怒りがこみあげてくる。

◆どうして発砲事件が起こった?

警官は、なぜ発砲したのだろう? 撃たれる前、男性は呆れてものが言えないといった感じでゆっくりと車に乗り込もうとしているように見える。なぜだろう?

やり取りの音声が確認できないので、ここからは完全な推理(妄想?)にすぎないのだけれど、駆け付けた警官は、もしかしたら、「何やってるんだ!」と、一方的かつ高圧的な態度をとったのかもしれない。あるいは、当事者で分が悪いほうの女性が、男性こそ悪いとかいうデマカセを言ったのかもしれない。

そんな相手に、男性は「なぜわかってくれないんだ?」という気持ちになったのではないか。しかし、興奮している警官は、男性こそが喧嘩の原因だと思い続けたのではないか。もし女性がウソを言っていたとしたら、なおさらだ。結果「男性が車から銃を取り出すかも・・・」と勝手に恐怖心を抱いたのかもしれない。

いずれにしても、警官が相手を尊重し、3者からきちんと話を聞いていれば防げたはずの悲しい事件だと思えてならない。けれど、もしそうしたふつうの対応を警官に邪魔させたのが、昨今その存在が明らかになりつつある「黒人は何をするかわからない」という、いわれのない差別意識だったとしたら・・・。この事件の原因は人種差別意識だった、ということになる。

◆善意の行動の結果、下半身不随に

そのあと、キャッチ!世界のトップニュースをみていた二男から、「男の人、一命はとりとめたんだって! でも、下半身不随になってしまったらしいよ。」という声が、職場に行く準備をする私の耳に飛び込んできた。「いのちがあってよかった。でも、下半身不随になったことを、撃った警官はどう思ってるんだろうね。」「ほんとだね。」「じゃ、行ってきます。」そういうやり取りを経て我が家をあとにした。

帰宅後。ご飯を食べ、お風呂上がりに「キャッチ!世界のトップニュース」を見直したら、男性の名前はジェイコブさんだと判明。しかも、News23では流れていない映像もあった。

ジェイコブさんは、どうも一度は歩道に体を押さえつけられていたらしい。そのあと、警官は拘束を解除し、ジェイコブさんはたいした抵抗もせず、立ち上がっている・・・ということは、警察も、一度はジェイコブさんの弁明を聞き入れ、「警察署で話を聞くから」とか言ったのではないか。でも善意の行動をしたジェイコブさんは「それはできない」とゆっくり車に向かい、乗り込もうとした・・・。

完全な妄想だけど、もしもこうした流れだったとしたら、ふつうは警官側が「勘違いしてすみません」と言って終わりのはずである。でも、警官は発砲している。無抵抗の善意の人間を相手に、背中から7発も。やはり、何らかの見下す意識があったのではないかと思えてならない。抗議デモが激しくなるのは、当然の結果だと思う。

◆身に覚えのない敵意を受ける恐怖

 なんらいわれのない敵意を向けられるほど、怖いことはない。ジェイコブさんの受けた仕打ちをテレビで見ながら、頭の中で、鮮明な記憶がよみがえってきた。

アジア・太平洋戦争の記憶が、今よりもまだ社会の中で新しかった1991年、中学1年生のとき。カリフォルニア州のトレイシーという小さな町にホームステイした。街中を歩いていたら、70歳前後くらいの男性から突然「ジャップ!」と言われたのだ。今でも鮮明に思い出す、次に何をされるかわからない、という恐怖。

 その人は、もしかしたら従軍経験者で、日本が起こした戦争により、戦友をたくさん失ったのかもしれない。ジャップという言葉には、そうした社会的要因による憎しみがあるので、いわゆる人種差別とは完全に一致しないけれど、それまでは話で聞くだけだった差別的な言葉を自分が浴びせられて、精神的にかなりしんどかったのを覚えている。

 だから、人種差別は、私にとっては他人事ではない。けれど、ニュース番組の街頭インタビューでは、「遠い世界の話」とか「日本ではありえないのでは」といった街の人の意見を耳にする。

 本当にそうなのだろうか? だいぶ長くなったので、この問いについては、また次の機会に考えてみたい。

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