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ものぐさ講師の徒然日記

窓際大学教員が、日々の暮らしで感じたことを、徒然なるままに綴っています(日・木曜日に更新)

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【災害から考える23】阪神淡路大震災から27年目の日に。

Posted on 2022年1月17日 by monogusalecturer2021

~~~~~

1、寂しいテレビ欄

 今日は、お休みをとって病院へ。診察と検査の予約に行ってきました。

 年末に受けた人間ドックで、ある臓器が「要再検査」と診断されてしまったのです。

 本当なら、振替休日をとっていた先週木曜日に行くつもりだったのですが、一昨日ご報告したとおり、発熱による余波で自宅待機をしなければならなかったため、今日になってしまいました。

 病院に行く前。テレビ朝日の『羽鳥慎一モーニングショー』を最初から最後まで視聴しました。

 でも、阪神淡路大震災から27年目であるという報道は、最後までなされませんでした(冒頭のちょっと目を離したすきにorトイレに行っている間に報じられたかもしれないのですが・・・)。

 がっかりして、病院に行く前に、今日のテレビ欄を見てみました。

 でも、阪神淡路大震災から27年目だという特集番組は、ほとんどありませんでした。

〈 やっぱり、30年近くたつと、風化してしまうのかな・・・。〉

 そんなセンチメンタルな気持ちになっていたのですが、NHKが『かんさい熱視線~阪神・淡路大震災 27年後の“新たな一歩”』という番組を放送予定だったので、録画予約をして病院に行きました。

◇◆◇◆◇

2、高まる思い。

 昨日、新潟中越地震発生時の災害ボランティアに参加した話をしました。

 新潟は比較的、関西圏から近いため、神戸から「恩返しがしたい」というお気持ちで駆け付けられたボランティアさんとたくさん出会いました。

 ヤマト運輸の運転手さんもいらっしゃいました。

 ちなみに、私がなぜ参加したのか? 

それは、高校1年生だった1995年当時、テレビで見た神戸の街の状況と、震災後の街を襲う火災が、目に焼き付いて離れなかったからです。

 神戸の下町である長田区は、昔ながらの木造家屋が多く、多くの建物が倒壊していました。

 そこを容赦なく襲う火災。もしも火災が起きなければ、多くのいのちが助かっていたはずでした。

〈こんなたいへんなことが起こっているのに、自分はなんで、ふつうに学校に行っているんだろう。何かお手伝いしなくてもいいのだろうか?〉

 まだ、神戸までの交通費すら捻出できない分際でありながら、その後、神戸市の近隣に住む同世代の高校生がボランティアを頑張っている姿をテレビで見て、この悶々たる思いは、ますます強くなっていきました。

◇◆◇◆◇

3、恨み

 そんな若かりし日のことを思い出しながら、病院から帰ってきて、録っておいたNHKの番組を見始めました。嗚咽が止まりませんでした。

 当時7歳だった前田健太さん、34歳。ご自身は2階で寝ていて助かったのに、すでに起きて1階にいらしたご両親は、倒壊してしまった自宅に圧迫され、お亡くなりになったそうです。

 健太さんは、お父さん、お母さんのご遺体を前にして、実感がわかなかったそうです。

そしてご両親を「恨んだ」そうです。

 もしも生きていてくれたら、こんな悲しい思いをしなくてすんだのに。授業参観にも来てもらえたはずなのに。もっと甘えられたのに。友達のように楽しそうに親と歩くことができたのに・・・と。

〈なんで急に逝っちゃったん なんでうちの親なん 恨みというか 許せないという感情です〉

 でも、人生の伴侶を得られ、お子さん(現在3歳のご長女さん)が生まれたのを機に、この思いが変わったそうです。

 自分は、この子を残して死ぬなんて、絶対できない。なんて謝ったらいいかわからない。

 父も母も、同じ気持ちだったんじゃないか。とても無念だったんじゃないか、と。

 そして、勤務されている全寮制の高校から、震災のことについて思いを語ってほしいと打診があったとき、引き受ける決心をされたそうです。

 ◇◆◇◆◇

4、頑張らなくちゃ!

 でも、10歳年上で、阪神淡路大震災が起こって以降、父親代わりだったお兄さんは、そんな健太さんの気持ちをまったく知らなかったそうです。

 むしろ、悲しいという感情を表に出さないので、大丈夫だったんだと安心しておられたそうです。

 そんなお兄さんは、ご両親との思い出の記憶がないと仰る健太さんに、お父さん、お母さんは、7年の間に、何十年分もの愛情を注いでくれたんだよ、と仰っていました。

 この言葉を聞いて号泣しながら、一方で、気持ちがあらたになる気分がしました。

 私は、4人のこどものうち、一番下の三男Tくんがまだ4歳です。

 もし、人間ドックで再検査といわれた臓器の状態が悪かったら、もう手遅れですと言われたら、たぶん、Tくんが私と過ごした記憶をもてない段階で、私はいのちを閉ざすことになるでしょう。

 そうなったとき、Tくんの記憶がなかったとしても、十分に愛情を注いだといえる自分でありたい。

 おばあちゃんやおばちゃんが天国から迎えに来てくれたとき、胸を張って「こどもたちに愛情を注げたよ!」といえる自分でありたい(天国じゃなければ迎えに来てくれるのは閻魔様ですね)。

 そう思ったのです。

 こどもたちのために、もうひと踏ん張り、頑張らなくちゃ・・・!

 そんな思いにさせてくださった健太さんへ、感謝の気持ちしかありません。

 そして、27年前の今日、尊いいのちを奪われた皆様のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。

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