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今日は、アジア太平洋戦争が終わった日です。
広島に原爆が落とされた8月6日の8時15分、長崎に原爆が落とされた8月9日の11時2分、そして今日の正午と、平和記念式典にあわせ、こどもたちと黙とうをしました。
黙とう初日の8月6日、家族で聴いていた広島平和記念式典での菅首相のスピーチには、絶句してしまいました。
ろれつの回っていない棒読みに、ああ、全然練習していないんだな、というのがわかる始まり方だっただけでなく、ニュースにもなったように、とても重要な部分が読み飛ばされてしまったからです。
いくら何でも文意が通らず意味不明だから、読んでいる菅首相もすぐ気づくはず、と思って見守ったのですが、とうとう最後まで訂正はなされないまま、降壇されてしまいました。
挨拶の進行とともに変わっていた字幕も、ここでフリーズしてしまいました。
関連して、秋葉忠則前広島市長の鋭い指摘があったのでURLを貼り付けます(J CASTニュース)。
https://www.j-cast.com/2021/08/06417835.html?p=all
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ちなみに、読み飛ばされたのは、広島市長が求めた、核兵器禁止条約(2021年1月発効)の批准と核兵器廃絶の世界世論をリードしてほしいという内容への応答ともいえる部分でした。
字幕でわかった読み飛ばしの部分では、核兵器禁止条約について一切触れられず、それ以外の方法で努力していくという、いわばはぐらかしの内容だったのですが、それでも読み飛ばしてしまった、という画面上で繰り広げられている事態を前に、〈もしかして広島市長への意図的なメッセージなのでは?〉と勘繰らずにはいられませんでした。
ちなみに、広島での準備不足と世論からの非難にさすがに懲りたのか、長崎平和記念式典ではスラスラとあいさつをされていました。ただし、内容は広島でのあいさつとほとんど同じように聞こえたので、新たな驚きでした。
しかも、さらに驚いたことに、菅首相のあいさつには字幕が付されなかったのです!
NHKが忖度したのか? はたまた菅首相のほうからやめてほしいと依頼があったのか? 真
相は分かりませんが、なんらかの調整があったのでしょうね・・・。
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それにしても、3回の菅首相のあいさつを聞いていて、「???」と疑問符が頭の中に浮かぶ内容がけっこうありました。
広島、長崎のあいさつでの疑問は、コロナ対応をしっかりしているんだというメッセージがなぜか冒頭にあった点です。
〈原爆が投下された日の追悼記念であるにもかかわらず、なぜ? ここは首相としてのコロナ対応の意気込みを語る場じゃないのに・・・〉と思わざるを得ませんでした。
今日のあいさつでもっとも気になったのは、次のくだりです。
「いまだ帰還を果たされていない多くのご遺骨のことも、決して忘れません。一日も早くふるさとにお迎えできるよう、国の責務として全力を尽くしてまいります。」
おもわず「えっ!」と言ってしまいました。だって、普天間基地の代替施設として国により建設が進められている辺野古基地の埋め立てには、いまだ沖縄戦のご遺骨がたくさん眠っている土が使われようとしているのですから。そして、沖縄での遺骨の収集は、ほとんどが、民間のボランティアの手で行われているのですから。
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DVDデッキがとうとうおかしくなってきて、1か月半ほど前、いよいよ修理に出そうとしたら、電気屋さんに「いま録画されている番組が全部消える可能性があります」と言われ、録画した番組を整理してから修理に出すことにしました。
そこで、見逃していた番組をときおり見ては、いる・いらないと振り分けてきました。
その作業の一環として、テレビ朝日の番組『テレメンタリー2020』「遺品を故郷へ ~地下壕に眠る生きた証~」』(2020年2月9日放送)を観たとき、胸が熱くなりました。
大阪からたまたま沖縄に旅行に来ていた南埜安男さんが、たまたま入った居酒屋で、まだ遺骨や遺品の収集が全然進んでいないという事実に驚き、移住してまでボランティア活動に没頭されているという内容だったからです。
〈国による財政措置があれば、多くの方のご無念が、もっと早く晴れるのに・・・。〉
南埜安男さんがガマに入って一生懸命に活動されて行姿を見てそう思った記憶が新しかっただけに、菅首相の言葉がより空疎に聞こえてしまったのです。
私にとっては、なんだか気持ちがすっきりしない、戦後76年目の夏になってしまいました。