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9,私は本当に強制していなかったのだろうか?
6月20日、日曜日。Tくんがキュウリを食べられるようになった話をアップしてから数時間後の朝。
高校生の長男Nくん、中学生の二男Yくんの寝ている布団にもぐりこみました。
自分の記憶に改竄がないかどうか、確かめるためです。
私、これまでもたびたび書いてきたとおり、〈こどもたちが悪いことをしても説得するようにして待つのが大事、叱るのは、霜田静志さんがいうように最後の手段だ!〉と思って子育てをしてきましたが、そうはいってもやっぱり人間なので、イライラして辛くあたってしまうこともありました(反省)。
〈食べ物のことで、そのように強く言っちゃうことがなかったかどうか、確かめなくちゃ!〉
そう思ったのです。
そうしたら、ふたりとも、寝ぼけ眼で「いや、嫌いな物を食べろと強制されたことはないよ~」とのこと。〈よかった~!〉と思いながら話を続けていると、新たな事実が発覚しました。
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10、強制されて、食べられない範囲が拡大!?
Nくんが、おもむろにこう言い始めたのです。
「青森の保育園でさ、『ホタテを食べないと寝てはいけません!』って言われて、無理やり食べさせられたんだよね。でも、口の中に入れただけで吐いちゃった。」
「そのあと、寝させてもらえたの?」と訊くと、「それは覚えてない」とのこと。
それはともかくとして、6歳の時に、みんなの前で無理やり食べさせられて吐いちゃったことが、つらい記憶として強く残っているのですね。
そして、そのあとの言葉が衝撃だったんです。
「そのせいで、オレ、貝類全般が食べられなくなっちゃったんだよね~。」
ああ、そういうこともあるのか!
無理やり食べさせられた嫌いな食べ物だけではなく、それと同じ種類の食べ物まですべて嫌いになってしまうんだ!・・・新たな発見でした。
そう考えると、野菜嫌いな人は、或る野菜を無理やり食べさせられた経験があるから、他の野菜も食べられないのかもしれない。魚にしても、然り・・・。
ニューロンがピピピとつながる、〈なるほど~!〉と思わされる発見でした。
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11、K子さんの反省
だとしたらなおさら、こどもに嫌いな物を食べるよう無理強いしてはいけないと思うんです。
この記事の~中編~でも書いたように、実際、Nくんは、まだ東京の保育園にいたとき、キノコを強制されて、キノコ全般がダメになってもいますから・・・。
ちなみに、K子さんからも、なぜ人に嫌いな物を食べるよう無理強いしてはいけないと思ったのか、そのいきさつを聞くことができました。
K子さん、ある小学校へ転校したばかりのとき、給食の時間、隣の男の子にたいし、嫌いな食べ物を「たべなさい!」と言って無理やり食べさせたとたん、その子が嘔吐してしまったそうなのです!
このとき、〈ああ、ほんとうに悪いことをしてしまった、人に嫌いな物を食べるよう無理強いしては行けないんだ〉と反省したそうなのです。
誰でも、好き嫌いはあっていいと思うんです。好き嫌いがあって、お互いに食べられるものが違うからこそ、「え~、あれ美味しいよね~?」「うそ~、絶対に食べられない! あんなの人間の食べ物じゃない!」といった会話で食卓が弾みます。それに、みんなの好みが違うからこそ、いろんな料理のお店が繁盛するわけですから!
こどもの味覚を無理に矯正しようとしてはいけない。食べられるようになるのを見守っていたほうが、親も楽だし、こどもだって成長する。なら、食べられなくっても、ええじゃないか、ええじゃないか♪