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ものぐさ講師の徒然日記

窓際大学教員が、日々の暮らしで感じたことを、徒然なるままに綴っています(日・木曜日に更新)

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【法の問題20】国民投票法改正法案⑤ 改憲は総選挙の争点になりうるのでは?

Posted on 2021年6月10日2021年6月10日 by monogusalecturer2021

~~~~~

1,「緊急事態条項がなかったからだ!」という屁理屈を、侮ってはいけない。

 でも、総選挙での野党統一候補擁立を見据える立憲・共産両党が、横綱相撲をしかける与党に対し、たとえそのように老獪な技を繰り出しているのだとしても、ひとつだけ懸念が残る。

 それは、改憲が、総選挙の争点としては成立しうる、という点だ。

 実際、コロナ禍が抑えられなかったのは憲法に緊急事態条項がなかったからだ、という屁理屈が、まことしやかに語られている(これがいかに論理破綻した考えかは、すでに考察してきた通り)。

 もしも、オリンピックでいろいろと問題(クラスター感染・変異株の誕生など)が起きてしまった場合、この屁理屈は、「東京五輪をきちんとした状態で開催できなかったのは、緊急事態条項が憲法になくて、強いコロナ対策をとれなかったからだ!」という、オリンピック、コロナ、緊急事態条項、3つの合わせ技からなる改憲の理由へとパワーアップする恐れがある。

 このような理由で、改憲がもしも総選挙の争点にされてしまったら、どうなるだろう?

「そんな屁理屈が通るわけがない!」と侮ってはいけない。世論調査で、国民の過半数が、コロナ対策のため緊急事態条項が憲法に必要だと回答している事実に照らすと、メディア戦略次第では、けっして侮れない「論理」へと変貌を遂げ、支持を広げていく可能性が俄然たかまってくる。

◇◆◇◆◇

2,うごめく権謀術策!?

 でも、親中派だといわれている菅首相と二階幹事長は、中国を刺激する改憲を総選挙の争点にしないのではないか、と言われている。

 https://www.jiji.com/jc/article?k=2021052600279&g=pol

 だが、菅首相は、いまのところ、国民からも、与党の議員からも、かなり不人気である。

 二階幹事長も、Go To トラベルに代表される利権政治体質が、かなり批判されている。

 もしかしたら、つねづね噂されている、再々登板を目指した安倍前総理の自民党総裁選出馬がありうるかもしれない。このとき、安倍前総理が、先の屁理屈を盾に改憲を争点にしてきたら、菅首相は何を御旗に総裁選を闘うのだろうか?

 五輪の成功? さらなる携帯料金の値下げ? コロナ対策実績の強調? ちょっと想像がつかない。

 だから、『NEWSポストセブン』の記事によると、二階幹事長が、河合夫妻事件の1億5千万円の決済に関わって自分にも責任があると言ったのは、安倍前総理の動きを牽制するためではないかと囁かれている。幹事長が自ら「責任があった」と認めると、「その上の人間はどうだったの?」と、自然と矛先が前総裁へ向かうからである。

 https://www.news-postseven.com/archives/20210525_1661892.html?DETAIL

 そのため、焦った安倍前総理は、菅首相を支持すると言わざるを得なくなっているそうなのだ。

 一昨日のブログで紹介したジャーナリストの尾中香尚里さんによると、国民投票法改正案の修正案を呑んだのも、菅さんと二階さんによる安倍さん封じだったのでは、と興味深い分析を別の記事でされている。

 https://nordot.app/764329842292998144?c=39546741839462401

◇◆◇◆◇

3,総裁選から一気に総選挙へ!?

 ただ、政治の世界は、一寸先は闇。どうなるかは全くわからない。

 オリンピックをどうしても実施したい菅政権は、開催に否定的な世論の影響を受けて敗北を喫する可能性がある以上、また「安全な実施について詰めるべき時に選挙をしている場合か!」という批判も高まるから、東京五輪前に解散総選挙に打って出ることはないだろう。

 そうなると、総選挙は、9月の自民党の総裁選直前の8月末か、はたまた任期満了となる10月か、どちらかに絞られる。

 おそらく、菅首相としては、東京五輪を何とか成功させ、その勢いのまま総裁選、総選挙へともっていく算段なのだろう。でも、東京五輪の余韻がそう長く続くとは思えない。国民にとっては、コロナに大打撃を受けた生活への手当の薄さのほうが、印象は強烈だ。そうなると、菅首相に反旗を翻す候補者が出てきて、総裁選は混戦必至である。その結果、改憲を前面に据えた候補が勝ち上がったとしたら、総選挙もまた「改憲の是非を問う」という流れへ一気に傾く可能性があるのだ。

 9月の自民党総裁選で誰が主導権を握り、何を争点にするのか。

 それが、この国の行く末を左右すると言っても、過言ではない。

 きたる総選挙の争点が改憲になる可能性は、けっしてゼロではないのだ。

 このようなシナリオも、想定しておくべきではないか。

 尾中さんの記事を読みながら、そんな思いがぐるぐると頭の中を巡るのだった。

~~~~~

 それにしても、こんなことを考えずに済むような、市民のいのちと健康、そして生活の維持を最優先に考え、政策化してくれる政権が、一刻も早く誕生してほしい!

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