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1,病床数の削減を推進する医療法「改正」が委員会で可決!
昨日の夕方のこと。実習の指導先から疲れて帰ってきてネットニュースを確認していたら、目が点になってしまった。なんと、病床数の削減や病院の再編推進などを盛り込んだ医療法「改正」法案が、参議院の厚生労働委員会で可決されたというのである!
審議されているのは知っていたけれど、まさかこのコロナ禍中に病床数を削減する法をつくったりはしないだろう、と思っていたので、心底驚いてしまったのだ。
そこで、眠いを目をこすりながら、ブログの記事を書き上げ、一度はアップした。
でも、書き上げた記事は、この問題の重大性をまとめ切れていない気がだんだんしてきて、悩んだ末、ごみ箱に捨てた。
なにが足りなかったのだろう? 布団に入り、眠りに落ちるまでの間に考えてみた。
そして、〈今回の病床数削減法案と、国民投票法改正法案とはセットになっているのではないか?〉という嫌な予感が、胸の中で渦巻いているのに気付いた。
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2,本会議での可決は、今日!?
コロナに感染し重症化しても、病床数が足りず、入院できずに亡くなる方が、いくつかの府県で多数いらっしゃるという悲しい現実が、幾度となく報道されている。
そんな状況を目の当たりにして、いまするべきは病床数の増加であって削減ではない、という道理は、国会議員の先生方ならすぐわかるはずである。
でも、改善すべき立場にあるはずの国会議員が、病床の削減を推進する法案に多数賛成し、あとは参議院本会議で可決されさえすれば「改正」医療法が成立してしまう、という現実。
しかも、採決は今日、5月21日なのだそうだ・・・。
どう考えてもおかしい。道理に合わない。プライマリーバランスの観点から、少子高齢化に合わせた適切な病床数を実現するのが目的らしいけれども、いまは、コロナ感染症の拡大で、国民が毎日数十人、ときには100人以上いのちを落としている非常事態だ。変異株は、こどもにも広がっている。
感染がさらに拡大すれば、下手をするとパニックだって起きかねない。
こんなときに、いのちよりカネの話が優先されるのは、倫理的にも、政策的にも間違っている。
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3,医療法の「改正」は、改憲への地ならし?
〈それが分かっていて、なぜ賛成したのだろう?〉
そう考えを巡らしてみたとき、不安なのは、法改正の賛成に回った政党がいずれも、憲法に緊急事態条項がないからコロナ禍が抑えられないのだ、と主張する議員さんを多く擁する所だという事実である。
〈もしかして、賛成された一部の議員さんは、「ね、たいへんでしょ、だから緊急事態条項が憲法に必要なんだ!」と言って、社会の空気を改憲へと誘導し、国民投票を実現するために、わざと医療崩壊を加速させようとしているのでは?〉
こういう疑念が、ふつふつと、心の奥底で湧き上がってきてしまうのだ。
もしもそうだとすると、国民投票法改正法案が成立した後に、このような、コロナの感染拡大状況との辻褄がどうしたって合わない法案の成立が目指される理屈が、霧が晴れたように理解できる。
もちろん、議員さんたちにはそんな魂胆など毛頭ない、と信じたい。取り越し苦労で終わってほしい。
でも、「非常事態条項がないからコロナが抑えられないのだ」と言っている議員さんの多くが、別の機会に、国民に権利などないのだとびっくり仰天する発言をしている動画などを見た経験からすると、もしかしたら国民のいのちは改憲の二の次なのかもしれず、医療法「改正」が究極のマッチポンプなのでは、という懸念を完全に払拭できずにいる。
参議院議員の先生方の良識を信じて、本会議のゆくすえを見守りたい。
(2021年5月22日タイトル修正)